マカオ、コロナ禍で失業率上昇続く…20年7〜9月期は2.9%=ホテルや飲食業では就業人数大幅増も

 マカオ政府統計調査局は10月23日、今年(2020年)7〜9月期の雇用統計を公表。総体失業率は2.9%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)に限った失業率は4.1%で、前回調査(6〜8月期)からいずれも0.1ポイント(pt)の上昇だった。不完全雇用率は1.0pt上昇の4.7%。

 今年7〜9月期の労働人口は40.35万人、労働参加率は70.3%。このうち、就業人口は前回調査時から700人減の39.18万人で、マカオ居民に限ると900人増の27.75万人。

 前回調査時との比較における主要業界別の就業人数の動向については、カジノ・カジノ仲介業が1.4%減の7.69万人、卸売・リテール業が4.6%減の4.29万人、建設業が9.3%減の3.68万人、ホテル業が18.0%増の3.28万人、飲食業が14.9%増の2.61万人だった。

 失業人口は前回調査時から300人増の1.18万人。新卒者が労働市場に流入する時期にあたることから、初めて職探しをする新増労働力の占める割合は1.4pt上昇の17.4%に。求職中の失業者のうち直前までカジノ・カジノ仲介業、リテール業に従事していた人の割合が多かったという。

 不完全就業者数は4000人増の1.90万人。業界別ではカジノ・カジノ仲介業とホテル業の占める割合が大きかった。

新型コロナの影響でインバウンド旅客が激減したマカオ。写真は観光名所の世界遺産・セナド広場=2020年7月19日本紙撮影

 今年第2四半期(4〜6月)との比較では、総体失業率が0.4pt、マカオ居民の失業率が0.6ptのそれぞれ上昇。就業人口は1.01万人の減少で、マカオで就労する海外労働者数の減が主要因。マカオ居民に限った就業人口は1800人減。主要業界別の就業人数の動向は、カジノ・カジノ仲介業が6.6%減、不動産・ビジネスサービス業が12.8%減、ホテル業が10.3%増。

 今年第3四半期(7〜9月)の就業人口全体の月給中位数は今年第2四半期から横ばいの1万5000マカオパタカ(日本円換算:約19.7万円)。業界別では、カジノ・カジノ仲介業が14.1%減の1万7000マカオパタカ(約22.3万円)、建設業が横ばいの1万5000マカオパタカ。マカオ居民に限った月給中位数は8.5%減の1万8300マカオパタカ(約24.0万円)に。

 マカオでは今年1月下旬から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫対策の一環として入境制限が講じられたことを受け、インバウンド旅客数が激減。インバウンド依存度の高い国際観光都市マカオの経済は大きなダメージを受けている。8月中旬から9月下旬にかけて、中国本土からの観光を目的とした旅行が段階的に再開したことから、経済回復のきっかけになると期待されている。昨年のマカオの総インバウンド旅客数に占める中国本土旅客の割合は約7割。

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