香港、3/15の新型コロナ新規感染確認数30人…ワクチン接種対象再拡大、人口の約8割に
- 2021/3/15 19:27
- 香港・大湾区
人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が始まった。
2月中旬にかけて感染確認者数は増減を繰り返しながらも第4波下では低位にあったが、同月下旬以降は複数の大規模集団感染(クラスター)に端を発する明確な感染者増が見受けられ、一時的なリバウンドで落ち着くのか、第5波に移行するのか、大きな注目が集まっている。
香港政府の発表によれば、3月15日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から6人増の30人だった。内訳は市中感染が8人減の16人、輸入性が14人増の14人。市中感染のうち感染経路不明は9人減の1人で、2日ぶりに1桁台となった。翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)については10人超とのこと。
この日の新規感染者のうち13人が近日認知された香港島の西營盤地区にあるフィットネスセンター「Ursus Fitness」におけるクラスター事案に絡むもの(利用客4人、密接接触者9人)。このフィットネスセンター関連の感染確認者の合計は122人に上り、昨年11月下旬から12月にかけて700人以上に及んだダンスホール事案に次ぐ規模にまで拡大している。香港衛生当局によれば、フィットネスクラブ事案に絡み隔離検疫を受けている人は860人、強制検査対象となった人は100以上のビル・マンションと事業所にわたる2200人超とのこと。これまでに変異株ウイルスは確認されていないとした。
この日の陽性予備軍のうち2人は在香港米国総領事館員という。また、輸入性14人のうち9人がホームヘルパーとして働くため香港入りしたフィリピン人とのこと。
ここまでの香港における累計感染確認数は1万1312人、退院者数は1万0769人、死者数は203人。
香港では、2月26日から保健医療及び感染症対策業務の従事者、60歳以上、老人ホーム及び障害者施設の入居者と従業員、越境運輸及び港湾業務の従事者等の高リスク群を対象として新型コロナワクチンの接種計画がスタート。その後、3月9日から対象範囲が飲食店、市場、スーパー、交通機関職員、建設業関係者、学校教職員、観光業関係者などに拡大されたほか、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナワクチンに加え、ドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」の接種もスタートしている。いずれも2回接種が必要とされるもの。香港政府は15日に会見を開き、接種対象を16日から再拡大すると発表。新たに30〜59歳、香港以外で就学する16歳以上の学生、ホームヘルパーが加わり、対象者数は総人口の約8割となる500万人超になる見込み。15日午後1時までの累計は約19万8000人で、16歳以上の人口の約3%に達したとのこと。目下、1日あたりの接種予約枠は2万3000回分という。