マカオ、2021年3月のホテル客室稼働率は55.3%…前月から16.9pt上昇=コロナ影響後の最高更新

 マカオは人口約69万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした大規模イベントが数多く開催されるアジア有数の国際観光都市として知られる。

 マカオの年間訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)は一昨年(2019年)には延べ(以下同)3940万6181人に上ったが、昨年(2020年)は対前年85.0%減の589万6848人にとどまった。昨年1月下旬から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫対策の一環として入境制限を含む厳格な水際措置が講じられらていることが主要因。ただし、マカオと中国本土における流行状況が落ち着いてきたことを受け、昨年7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書の提示などの条件付きで隔離検疫を免除)された上、中国広東省珠海市居民及び広東省居民を対象にしたビザに相当するマカオ渡航許可(個人・団体観光旅行)の申請受付がそれぞれ8月12日、26日から再開、9月23日から中国本土全域に拡大した。これと並行してマカオと中国各地を結ぶ海路、空路の交通アクセスも再開が続く状況。

 今年3月のインバウンド旅客数は前年同月から2.6倍増、前月から76.7%増の75万4541人で、顕著な回復となった。

 マカオ政府統計調査局は4月28日、今年3月のホテル宿泊客関連統計を公表。同月の平均ホテル客室稼働率(新型コロナの影響で一時休業中及び隔離検疫用ホテルの客室分は含まず、以下同)は55.3%で、前年同月から32.1ポイント(pt)、前月からも16.9ptのそれぞれ上昇。昨年12月の53.1%を上回り、新型コロナの影響が生じて以降の最高を更新した。

 ホテル等級別では、5つ星が前年同月から37.8pt上昇の54.5%、4つ星が31.4pt上昇の59.3%、3つ星が23.4pt上昇の61.4%、2つ星ホテルが10.7pt下落の37.6%、ペンサオン(ゲストハウス)が14.2pt下落の37.0%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が1.8%増、4つ星ホテルが14.6%増、3つ星ホテルが5.6%増、2つ星ホテルが27.7%増、ペンサオンが16.9%増だった点も考慮する必要がある。

 今年3月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から3軒増の120軒、供給客室数は5.8%増の3.57万室あり、このうち5つ星ホテルが1軒減の32軒で、供給客室数は全体の59.9%を占める2.14万室。

 今年3月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月から1.6倍増の62.2万人。中国本土旅客は前年同月から2.2倍増となる53.9万人だった。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から0.1日短い1.7日。

 今年第1四半期(1〜3月累計)の平均ホテル客室稼働率は前年同時期から3.6pt上昇の44.9%、ホテル宿泊者数は1.2%減の145.4万人。ホテル宿泊客の平均滞在時間は0.1日延びて1.7日。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2020年7月本紙撮影

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