中国本土の新型コロナ新規市中感染確認は7省区市で48人…大半が甘肅省と内モンゴル自治区、黒竜江省にも波及=10/28

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 最近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があり、9月上旬には福建省の一部でデルタ株の市中における伝播が出現、同月下旬には黒竜江省ハルビン市でもデルタ株の市中感染確認例が出現した。さらに、近日は内陸部のシルクロード観光エリア一帯を訪れた国内団体旅行客の移動をきっかけとした伝播の拡大が続く状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が10月29日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、28日の中国本土における新規市中感染確認は48人(前日から25人増)だったとのこと。内訳は、内モンゴル自治区19人(アルシャー盟18人、シリンゴル盟1人)、甘肅省12人(蘭州市10人、張掖市2人)、黒竜江省9人(黒河市)、青海省3人(西寧市)、北京市2人(昌平区)、寧夏回族自治区2人(銀川市)、雲南省1人(徳宏タイ族チンポー族自治州)。このうち黒竜江省の3人は無症状から感染確認に転じたもの。中国本土で市中感染確認例が出現するのは13日連続。市中の無症状感染例についても14日連続で出現し、山東省(日照市)で3人だったという。

 10月28日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は701人(うち輸入性が375人)で、重症者は38人(輸入性1人)。無症状の患者410人(輸入性369人)が医学観察下にあるという。

 近日、中国本土の多くの地域で市中感染例が散発している状況。感染者の多くが観光のためエリアを跨いで移動していたこと、感染力の強いデルタ株であることから、今後も影響が拡大する可能性が指摘されている。これまでに感染確認例が出現した地域を中心に、防疫措置の引き締めが進んでいる。なお、今回の再流行では、最近の例と比較して重症者の割合が多い。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。今年5月下旬に広東省で発生した大規模再流行、7月下旬に南京空港で発生したクラスターに端を発し10を超える省市とマカオへ波及した再流行、9月上旬に福建省のホ田市からアモイ市など省内の大都市に波及した約470人規模の再流行、9月下旬に黒竜江省ハルビン市を中心に出現した約90人規模の再流行についてもデルタ株によるものだが、それぞれ約1ヶ月で封じ込めに成功した実績がある。9月の福建省と黒竜江省のケースは、いずれも一部地域にとどまり、省外への拡散は確認されていない。

 このほか、マカオ特別行政区では28日まで19日連続市中感染確認例ゼロ、香港特別行政区でも同20日連続ゼロを維持した。マカオの場合、すでに中国本土(リスク指定地域を除く)との間で隔離検疫なしの往来が再開されているが、近日の中国本土における状況の変化を受け、リスク指定地域の追加が相次ぐほか、広東省以外の中国本土滞在歴のある人にPCR検査を受けるよう呼びかけがなされている。香港政府は28日、マカオの状況が落ち着いたことから、マカオから香港への隔離検疫免除での2種の入境スキームを11月2日から再開すると発表した。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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