香港、新型コロナ新規陽性者39人…レストランクラスター拡大、感染経路不明の初歩陽性ケースも出現=1/4
- 2022/1/4 20:58
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、2020年11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、2021年5月にかけて状況が落ち着き、同月末までに終息した。
6月以降も外遊歴のない人(多くが空港業務従事者)の散発的な感染確認があったものの、長く市中における連鎖的な伝播は出現していなかったが、大晦日に検疫規則違反の航空会社クルー(オミクロン変異株感染)をきっかけとしたレストラン「望月樓」店内での伝播が出現したことが判明し、83日にわたって続いた市中感染確認例ゼロ記録がストップすることとなった。
香港衛生当局の発表によれば、1月4日午前0時時点集計の単日の新規陽性者は39人(症状有りの感染確認13人、無症状26人)で、内訳は輸入関連性が3人、輸入性(海外からの入境者)が36人。このうち34人が変異株感染で、残る5人は変異株の有無を調べる検査結果待ち。輸入関連性のうち1人が望月樓に居合わせた客で、レストランクラスターの陽性者は累計6人となった。加えて、翌日以降に陽性者となる可能性が高い初歩陽性者の中には望月樓関連で感染確認された患者の娘が1人のほか、感染経路不明(市中)も1人おり、すでに市中で伝播が進んでいる状況が危惧される。
輸入性の患者については、フィリピン、米国、カナダ、インドなどから到着した人が多かった。香港国際空港での検査で陽性となった乗客が規定数を上回り、防疫措置規則に違反するとして、4日新たにキャセイパシフィック航空のソウル出発便、エアインディアのデリー出発便、エアカナダのバンクーバー出発便、タイ国際航空のバンコク出発便、エアアジアフィリピンのマニラ出発便が1月17日まで乗り入れ禁止処分を受けた。目下、多数の航空会社が同様の処分を受けている。
香港における過去14日間(12月21日〜1月3日)累計の新規陽性者数は188人で、輸入関連性事案(市中)が6人、輸入性事案が182人。ここまでの累計は1万2761人。
また、新たに12人がオミクロン変異株の感染だったことが確定したとのこと。香港で確認されたオミクロン株感染者は4日までに累計114人となった。
このほか、香港の1月3日午後8時時点のワクチン接種率は72.9%(1回目の接種完了)、69.4%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は1000万4279回、1日あたり接種回数は3万8411回(7日移動平均値2万1227回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は昨年9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月23日にようやく達成された。また、11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の累計接種回数は42万1175回。直近で市中感染確認例が相次ぎ出現したことで、再び接種回数に増加傾向が見受けられる。