中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は59人…広東省深セン市では10日連続、オミクロン株亜種BA.2多数=2/21

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が2月22日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月21日の中国本土における新規市中感染確認は59人(前日から12人減)だったとのこと。内訳は、内モンゴル自治区20人(フフホト市18人、バヤンノール市1人、包頭市1人)、江蘇省12人(蘇州市10人、無錫市2人)、遼寧省6人(葫芦島市)、四川省5人(成都市)、雲南省5人(徳宏タイ族チンポー族自治州4人、紅河ハニ族イ族自治州1人)、北京冬季オリンピック・パラリンピックのクローズドループ(いわゆるバブル管理区域)内4人、湖北省4人(武漢市)、広東省3人(深セン市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは129日連続。市中の無症状感染例については10日連続で出現し、内モンゴル自治区2人(バヤンノール市)、江蘇省2人(蘇州市)、四川省2人(成都市1人、瀘州市1人)の計6人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、1月上旬から中旬にかけて珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現。一旦は落ち着いていたが、深セン市で12日に6日ぶりとなる感染確認例が出現し、以降は21日まで10日連続。このところの深セン市における新規感染確認例は、先に出現した隔離検疫ホテルスタッフのオミクロン変異株によるクラスター関連が中心で、すでに濃厚接触者として隔離済みまたは重点検査対象の中から発見されている。ただし、21日に感染確認された3人のうち2人については、自主的に検査を受けたことをきっかけに発見に至ったといい、その活動範囲は市内4区に及び、バスや地下鉄も利用していたとのこと。市当局は同市の近日の市中感染事案の多くのがオミクロン変異株亜種BA.2(ステルスオミクロンとも称されるもの)であることもわかったとし、当局が感染経路追跡、患者の職場・居住地の封鎖とともに、市民に対して防疫措置への協力を継続するよう呼びかけている。

 2月21日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1809人(うち輸入性が935人)で、重症者は12人(うち輸入性1人)。無症状の患者681人(輸入性568人)が医学観察下にあるとのこと。

 なお、2月20日夜に閉幕した北京冬季五輪の関係者については、バブル方式(閉塞管理)を採用。組織委員会が2月21日午前に発表した情報などを総合すると、1月23日から2月20日までの五輪関係者の累計陽性者数は437人(うち選手及び選手団随行メンバー185人)。2月20日単日ではゼロだった。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では2月21日まで134日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月中旬以降は単日の感染確認数が4桁となる日が続き、21日は流行開始以来最多を更新する7533人に。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面している。近日、港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでおり、マカオでも市中への流入リスクが高まってきたとして市民に対してワクチン接種を済ませるよう緊急の呼びかけがなされた。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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