マカオ、2022年1Qカジノ売上に占めるVIPルームの割合は27.2%…前年同期から11.4pt下落

 かつてマカオのカジノ売上の大半がVIPルームによるものだったが、近年ではマス(平場)シフトが進み、割合は均衡あるいはマス優勢の状況となっていた。

 新型コロナウイルス感染症の影響が生じた2020年2月以降もVIPルームの占める割合は縮小が続き、昨年(2021年)末には大手仲介業者(ジャンケットプロモーター)「サンシティ」トップの逮捕を発端としたジャンケット系VIPルームの大量閉鎖もあった。

 マカオのゲーミング(カジノ等ギャンブル)規制当局(博彩監察協調局=DICJ)が4月19日に公表した今年第1四半期(2022年1〜3月)のゲーミング統計によれば、VIPルームによるカジノ売上を反映するVIPバカラ売上は前年同期比47.0%減の48.39億パタカ(日本円換算:約762億円)で、全体に占める割合は11.4ポイント下落の27.2%にとどまった。

 昨年のVIPカジノ売上と全体に占める割合の推移をみると、第1四半期が91.28億パタカ(約1437億円)で38.6%、第2四半期が85.03億パタカ(約1338億円)で33.5%、第3四半期が59.59億パタカ(約938億円)で31.8%、第4四半期が48.99億パタカ(約771億円)で25.7%といずれも右肩下がりに。通期では284.89億パタカ(約4484億円)で32.8%(前年から10.7ポイント下落)となった。

 昨年12月末までに多くのカジノ運営企業がVIPルームを運営する仲介業者との協力関係を打ち切っており、カジノ売上に占めるVIPルームの割合は今後も低迷が続くものと予想される。

 なお、ジャンケット系VIPルームの大量閉鎖があったのが12月のことで、顧客の一部はカジノ運営企業直営のVIPルームやプレミアムマス等へ移行したものとみられる。ジャンケット系VIPルームの多くが市場から姿を消して初めての四半期となる今年第1四半期のカジノ売上は177.74億パタカ(約2798億円)で、前年同期比24.8%減、昨年第4四半期比6.8%減。マイナスの主要因として、中国本土の各地で新型コロナの再流行が出現したことに伴う水際措置の引き締めによる旅客減が挙げられる。

 このほか、今年第1四半期時点のカジノ施設数は前年同時期から横ばいの42軒で、稼働中のゲーミング(カジノ)テーブルの数は前年同時期から67台減、昨年第4四半期から173台減の6025台、スロットマシンの数は前年同時期から2211台増、昨年第4四半期から143台減の1万1615台だった。

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

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