香港の新型コロナ新規感染者数523人、9日連続1千人以下…小学校対面授業再開後も状況安定=4/23
- 2022/4/23 17:59
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。
2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は、下落傾向を維持している。
香港衛生当局が4月23日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から51人減(8.9%減)の523人(輸入性13人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が252人、迅速抗原検査経由が271人。3日連続減少、9日連続で1千人以下を維持し、ピーク期以来の最少を更新した。第5波開始以来の累計感染者数は118万8800人。
新たに医管局から報告された死亡者数は9人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9023人、総体死亡率は0.76%。
当局では、新規感染確認数が緩やかな下落傾向にあり、状況が安定してきたとの見方を示した。また、19日から小学校の対面授業が再開可能となったことを受け、これまでに299校が対面授業を再開したとのこと。毎朝登校前に迅速抗原検査を実施し、結果が陰性の場合に限り登校できるルールとなっているが、これまでの陽性者が出現した小学校は12校(児童8人、教員7人)で、対面授業再開済みの学校の児童数に占める陽性者の割合は0.005%で、その多くが対面授業再開とは無関係の感染経路とみられるとした。
21日からはソーシャルディスタンス措置が一部緩和(バーを除く飲食店の夕食時間帯の営業解禁、同卓制限の緩和、映画館・テーマパーク等の再開、集団制限措置の緩和ほか)となっており、今後の新規感染確認数の推移に注目される。
香港の4月22日午後8時時点のワクチン接種率は92.9%(1回目の接種完了)、87.0%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は65.6%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。22日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は2万8383回で、7日移動平均は2万2711回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(83.3%)と80歳以上(61.8%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げ、訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策を講じている。