マカオ、プリペイドSIMアカウント数の減少傾向続く…2022年11月も対前年3割超マイナス

 マカオ政府統計調査局が12月30日付で公表した最新の通信統計によると、マカオの今年(2022年)11月末時点の携帯電話アカウント数は前年同月から6.1%減の120万1352件だった。

 ただし、マカオの人口は約68万人。携帯電話アカウント数が人口を大幅に上回る背景には、SIMロックフリー端末とプリペイドSIMカードの普及が挙げられる。市内各所にプリペイドSIMカードの自販機が並び、スーパーやコンビニエンスストアの店頭でも容易に購入やチャージをすることができる。

 上述の携帯電話アカウント数にはプリペイドSIMカード分も含まれ、前年同月から32.6%の大幅減となる27万9915件で、全体の23.3%を占めた。一方、契約付きのアカウント数は6.5%増。

 マカオ、香港、中国本土は同じ中国でありながら、マカオは853、香港は852、中国本土は86という固有の国際電話の国(地域)コード番号を持ち、通信事業社も各地ごとに異なる。中国本土や香港を含む海外からマカオを訪れた旅客が携帯電話を利用する場合、国際ローミング扱いとなり通信料が高額となることから、マカオ到着後にマカオの通信事業社が販売するプリペイドSIMカードを購入することが一般化している。

 実は、マカオでは2019年末以降、プリペイドSIMアカウント数の減少傾向が続いており、2020年10月には携帯電話ユーザー総数に占める割合が5割を下回るに至った。その背景のひとつとして、新型コロナ防疫対策の一環として水際措置が強化されたことによるインバウンド旅客減が挙げられる。また、マカオでは、2019年12月22日にサイバーセキュリティ法が施行となったことを受け、同日からマカオの通信キャリアが販売するプリペイドSIMカードの実名登録制がスタート。同日以降、新たにプリペイドSIMカードを購入して使用する場合、アクティベーション時に実名登録が必要となった。開通済みのプリペイドカードSIMカードを使用している場合も補充実名登録手続きが必要となり、2020年10月17日に締め切られたことも大きな要因といえる。昨今、マカオ域内では政府と民間の合同による無料Wi-Fiサービスもスポットの拡充が続いている。

 このほか、今年11月末時点のマカオの固定電話アカウント数は前年同時期から7.2%減の9万3238件、インターネット登録アカウント数は4.4%増の69万8391件。11月単月のインターネット総使用時間は4.7%減の1.4億時間、1〜11月累計では1.3%増の15.4億時間だった。

 なお、香港でもプリペイドSIMカードの実名登録制が昨年9月から段階的にスタート。2022年3月から第2フェーズに入り、新規の場合は開通前の登録が必須に。これ以前に開通済みの場合の登録猶予期間は2023年2月23日となる。

マカオのプリペイドSIMカード自販機(資料)—本紙撮影

マカオのプリペイドSIMカード自販機(資料)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオでは、年に一度のモータースポーツの祭典「第71回マカオグランプリ」があすから4日間(11月…
  2.  長い歴史を持ち、世界的な知名度を誇るモーターレースの祭典「マカオグランプリ」。今年(2024年)…
  3.  マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角、SJMホールディングスは11月12日、今…
  4.  マカオ治安警察局は11月12日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持…
  5.  マカオで年に一度開催されるモータースポーツの祭典「マカオグランプリ(Macau Grad Pri…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  2.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年11月号
(vol.137)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun