マカオ、2023年2月の平均ホテル客室稼働率は76.1%…対前年27.5pt上昇

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした大規模イベントが数多く開催されるアジア有数の国際観光都市として知られる。

 マカオの年間訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)はコロナ直前の2019年には延べ(以下同)3940万6181人(延べ、以下同)に上ったが、2020年は対前年85.0%減の589万6848人に急落。2021年は対前年30.7%増の770万5943人まで回復したものの、2022年は対前年26.0%減の570万0339人と再び下落に転じ、丸3年にわたって低迷が続いた。

 インバウンド旅客数が低迷する主要因として、2020年1月下旬から新型コロナ防疫対策の一環として入境制限を含む厳格な水際措置が講じられたことが挙げられる。ただし、2022年12月初旬に中国が事実上のウィズコロナへ急転換し、マカオも追随。今年(2023年)1月8日には水際措置が大幅緩和され、以降インバウンド旅客数は急回復している。

 今年2月のインバウンド旅客数は前年同月比143.1%増となる159万3743人、今年1〜2月累計でも前年同期比121.6%増の299万1491人に上った。

 マカオ政府統計調査局は3月29日、今年2月のホテル宿泊客関連統計を公表。同月の平均ホテル客室稼働率は76.1%で、前年同月から27.5ポイント(pt)、前月から4.9ptのそれぞれ上昇。

 ホテル等級別では、5つ星が対前年同月から25.6pt上昇の74.8%、4つ星が24.5pt上昇の74.0%、3つ星が31.0pt上昇の82.2%、2つ星ホテルが52.6pt上昇の84.0%、エコノミー宿泊施設が36.2pt上昇の75.1%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が5.6%減、4つ星ホテルが13.7%増、3つ星ホテルが7.6%増、2つ星ホテルが増減なし、エコノミー宿泊施設が7.2%増だった点も考慮する必要がある。

 2月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から6軒増の126軒、供給客室数は0.3%増の3.88万室あり、このうち5つ星ホテルが2軒増の35軒で、供給客室数は全体の58.2%を占める2.26万室。

 2月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比78.5%増の88.3万人。このうち中国本土からの旅客が62.2%増の64.3万人、香港からの旅客が806.4%増の16.2万人、台湾からの旅客が185.0%増の1.1万人。一方、コロナ禍インバウンド低迷期にステイケーション需要等で稼働率の下支えをした地元マカオ客は34.3%減の4.5万人。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から0.2日短い1.6日に。

 1〜2月累計の客室稼働率は前年同時期から27.5ポイント上昇の73.6%、ホテル宿泊客数は71.7%増の173.0万人、平均滞在時間は0.2日短い1.7日。

 2月は観光ピークシーズンの一つとして知られる春節ホリデー(1月21〜27日)直後にあたり、平年であれば春節ホリデー後はノンピークシーズンとなるが、今年は異例で、交通アクセスの正常化等を追い風にインバウンド旅客の回復基調を持続している状況。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の夜景(資料)=2020年7月本紙撮影

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