マカオローカルの失業率が3.9%まで改善…2023年1〜3月期、月給中位数も増

 マカオ政府統計調査局は4月28日、今年(2023年)1〜3月期の雇用統計を公表。総体失業率が3.1%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者、いわゆるローカル)に限った失業率は3.9%だった。

 それぞれ前回調査(2022年12月〜2023年2月期)から0.2ポイント(pt)下落(良化)。不完全雇用率についても0.5pt下落の2.2%に。

 マカオでは中国本土に追随してゼロコロナ政策を堅持してきた経緯があり(※ただし2022年12月初旬から段階的に事実上ウィズコロナへ転換)、インバウンド依存度の高いマカオ経済は長期低迷を余儀なくされた。ローカルの失業率は2022年6月中旬から8月初頭にかけてオミクロンBA.5のアウトブレイクが発生し、準ロックダウンを含む極めて厳格な防疫措置が講じられたことと新卒者の労働市場への投入時期が重なったことにより、6〜8月期に過去最悪の5.5%を記録。以降は少しずつ改善が続いているものの、依然としてリーマンショックの影響があった2009年以来の高水準が続く状況。その後、今年1月8日にウィズコロナへ完全移行し、水際措置が大幅緩和されたことを受け、以降はインバウンド旅客数が急回復し、勢いも持続しており、人材需要にも好影響が及ぶと予想される状況。

 今年1〜3月期のマカオ居住の労働人口は37.08万人、労働参加率は67.9%。就業人口は前回調査から600人減の35.93万人で、マカオ居民に限ると1000人減の28.12万人。

 失業人口は前回調査時から700人減の1.15万人。新たな職を探す失業者については、直前まで建設業とカジノ・カジノ仲介業に従事していた人の数が多くを占めた。失業人口の中で初めての職探しをする人が占める割合は2.5pt下落の6.8%。

 不完全就業者数は1900人減の8000人。業界別では、カジノ・カジノ仲介業における減少が顕著だった。

DSALとマカオ工会連合総会が合同開催した大型ジョブフェア会場の様子(写真:DSAL)

 前の四半期(2022年10〜12月)との比較では、総体失業率が0.4pt、マカオ居民に限った失業率が0.6pt下落。、不完全雇用率が0.2pt下落。就業人口は900人減で、マカオ居民に限ると100人増。業界別の就業人口動向では、ホールセール・リテール業(4.74万人)とカジノ・カジノ仲介業(6.64万人)がそれぞれ1700人、1200人減だった一方、運輸・倉庫業(1.68万人)は2300人増。

 就業人口の月給中位数は1万7000パタカ(日本円換算:約28.0万円)で、前の四半期から1400パタカ(約2.3万円)増。主な業界別の月給中位数は、カジノ・カジノ仲介業が2万0500パタカ(約33.8万円)、建設業が1万5000パタカ(約24.7万円)。マカオ居民に限った月給中位数は2万パタカ(約33.0万円)で、同1000パタカ(約1.6万円)増。

 就業調査の統計対象はマカオ半島、タイパ・コロアン島にある住宅の居住者(学生寮や高齢者入所施設等のグループホームを除く)で、域外からマカオへ越境通勤するマカオ居民及び海外労働者は含まれない。出入境資料を元にマカオ居民及び海外労働者の越境通勤者数は約8.63万人と推計され、これを含むマカオの総労働力は前回調査から300人増の45.71万人。

 マカオ政府労工事務局(DSAL)はコロナ禍において定期的にジョブマッチングフェアの開催や職業訓練機会の提供などローカルの就業支援に継続して取り組んでおり、年初来の約4ヶ月間に3011人の就業サポート実績を挙げたという。

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