マカオの鉄道新線、地下鉄で検討…タイパ島北東部とマカオ半島北端を新興埋立地経由で結ぶ「マカオLRT東線」

 マカオ特別行政区の賀一誠(ホー・ヤッシン)行政長官は4月20日、2020年財政年度の施政方針演説の中で、政府が計画しているマカオLRT(Light Rapid Transit、新交通システム)の新路線「東線」について、全線地下を走る地下鉄に類する方式で検討していることを明らかにした。

 東線はタイパ島北東部にあるマカオ国際空港からマカオ半島東部沖に造成中の埋立地を経由してマカオ半島北端にある關閘を結ぶ全長約9キロの路線。マカオ国際空港には昨年12月に営業運転を開始したタイパ線の駅があり、關閘駅はマカオと中国本土との主要な陸路の玄関口にあたる關閘イミグレーションが存在する。

 立法会で21日に行われた施政方針演説に対する質疑応答の中で、地下鉄に類する方式を採用することで、用地取得は容易となるが、建設コストが上がる可能性があるため、費用対効果を研究していると回答。年内にもパブリックコメント(意見募集手続き)を実施する予定とした。

 マカオLRTは第1期プロジェクトを構成するタイパ線の一部(タイパフェリーターミナル駅と海洋駅の間の9.3キロ、11駅)で営業運転を開始している。賀長官は、東線のほか、タイパ線のマカオ半島側への乗り入れ(タイパ線の海洋駅から西灣大橋を経由して媽閣駅に至る部分)についても任期内(2024年12月19日まで)に実現させたいとする目標を示している。

 なお、タイパ線とともに第1期プロジェクトとして計画されたマカオ半島線(媽閣から西灣湖、南灣湖、新口岸地区、マカオ半島北東部の住宅街を経由して關閘を結ぶ路線)については、ルート選定が難航するなどしており、本格着工に至っていない状況。このほか、タイパ線から分岐する支線や媽閣と關閘をマカオ半島西部沿岸経由で結ぶ路線(マカオ半島線と接続して環状線化)なども計画されている。

マカオLRTタイパ線の起点となるタイパフェリーターミナル駅に停車中の列車=2019年12月10日本紙撮影

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